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  • Ellipse

    手の感覚から生まれたザ・コンランショップのアイコン

    「私はデザインとともに生きている。一日中、そして夜もずっと、モノや空間のデザインについて考えている」(テレンス・コンラン)。子どものころから絵を描いたり模型を作ったりするのが大好きで、2020年に88歳で逝去するまで、いつもスケッチを楽しんでいたテレンス・コンラン。88歳の頃、旅先へ必ず持っていくものを聞かれ、「アイデアやイメージをスケッチするための白紙のノートを数冊とたくさんの鉛筆」と答えたほどでした。そんなテレンスのドローイングから生まれたのが、モダンなシルエットの中にクラシックな美しさも感じさせるEllipse(エリプス)。2003年に発売された家具シリーズ「CONTENT BY CONRAN」のソファをベースにデザインされ、今や〈ザ・コンランショップ〉のアイコン的存在にもなっている逸品です。

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    座りやすく立ち上がりやすい、適度なホールド感

    「実用的で理にかなったデザインは日々の暮らしに満足と喜びをもたらし、使い勝手のよさは美しさに通じる」。これは、テレンスが大事にしていたものづくりの哲学「PLAIN、SIMPLE、USEFUL」のうちの「ユースフル」を示す考え方です。Ellipsの大きな特徴は、ゆったりと奥行きが広くて心地いい座面。その美しさを支えているのが使い勝手のよさ、つまり、腰掛けやすく立ち上がりやすいことでしょう。シートの表面はふわりと柔らかな感触だけれど、腰を下ろすとしっかり支えられる。加えて、沈み込みすぎないので立ち上がるのもラク。この繊細かつ頼もしい座り心地の理由は、鋼線をSの字に加工して木枠の中に取り付けるSバネ構造にあります。金属製のSバネを使って座面全体で支える構造なので、適度な張りや弾力が感じられるのです。寝そべった時にお尻や腰が沈み込まないので、ソファで昼寝をしたり横になったりするのが好きな人にも好評。ちなみに、張地はカバーリング仕様。好みやシーズンに合わせて張り替えられることも「ユースフル」のひとつです。

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    家具職人としての誇りが生んだシルエット

    デザイナーや起業家として名高いテレンスですが、本人いわく「心の中ではいつだって、自分のことを家具職人だと思っていた」。13歳で船や鉄道の精巧な模型を作り、18歳の頃にはイギリスの彫刻家エドゥアルド・パオロッツィの工房へ。彫刻制作を手伝う傍ら、拾い集めた素材で家具を作っていたそうです。やがて1952年、21歳でノッティング・ヒルに〈コンラン・アンド・カンパニー〉の工房を開業します。当時テレンスがデザインした椅子を、画家のパブロ・ピカソが気に入って2脚購入したというエピソードも......。

    そんなテレンスが自邸の隣に家具工房〈ベンチマーク・ファニチャー〉を設立したのは1986年、55歳の時。〈ザ・コンランショップ〉のみならず、レストランやミュージアムづくりに都市計画まで幅広く活躍していた彼にとって、〈ベンチマーク・ファニチャー〉は自らの原点に立ち戻って夢中になれる大切な場所となりました。Ellipseはこの工房にルーツをもち、流行に左右されず人々を魅了してきた優美なソファ。「自らの手を動かすことがものづくりの基本」だと信じていたテレンスの美学を受け継いでいるのです。

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    優美なシルエットは手を動かして生まれる

    テレンスのドローイングから生まれたEllipesのシルエットは、人の体や動きになじみ、空間にも自然なリズムを生む柔らかさを宿しています。手足を伸ばして座った時の心地よさは、座面が広くて大きいからというだけでなく、人の動きを受け止めるシルエットが関係しているのかもしれません。〈ベンチマーク・ファニチャー〉を設立して以来、月曜の朝になると週末に描き溜めたドローイングを持って工房へ出向き、どんなに小さなものも、必ず手を動かして試作を繰り返してから制作していたというテレンス。彼がデザインする家具のシルエットは、繰り返し素材に触れ、使いやすい構造や本能に響く美しさを追い求めた「手の感覚」から生まれたものだったのでしょう。

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